みなさんはアイデアを考える時どうしてます?
「えー、アイデアを思いつくのはセンスがある人だけでしょ?」
とか思ってませんか?
そんなことないんです。
今回ご紹介する、ジェームズ・W・ヤングの「アイデアのつくり方」を読めばきっとその考えは変わります。
普段デザイン活動をしている私ですが、一番つまづく作業がこのアイデア出しなんですね。
30分もしないうちに、「ポンッ!」ってアイデアが思いつく時もあれば、1週間2週間たっても何もひらめかない時も多々あります。
また、アイデアというのはデザイナーだけが必要としているものじゃない。
営業でも企画でも、写真家でもブロガーでも、何かを作り上げるのにアイデア力を必要としない仕事など無いんだ。ということも教わることができました。
この本は、私のように毎回アイデアの障壁にぶち当たっている方に読んでいただきたい本です。
きっとあなたの創作活動をガラッと変えてくれることでしょう。
それでは、どうすればアイデアを作り出せるか手順を見ていきましょう。まずは…
目次
アイデアを作り出せるタイプになろう
「アイデアを作り出すには何か特別な才能がいるのだろうか?」
こんな疑問を思う人は多いはず。
この本の中では、世界にはスペキュラトゥールとランチェの2種類のタイプの人間が存在すると言っています。
新しい組み合わせの可能性につねに夢中になっている
型にはまった、着実に物事を行う、想像力に乏しい、保守的な人間
投機的な人間に操られる側の人々
簡単に言うと、
前者がアイデアを作り出せるタイプ。
後者がアイデアの想像に乏しいタイプ。
アイデアを作り出すにはスペキュラトゥールになればよいということなんですね~。
またスペキュラトゥールになるには、その原理と方法を理解する必要があるんです。
アイデアを作り出す「原理」
「アイデアのつくり方」の中でジェームズ・W・ヤングはこう言っている。
アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ
既存の要素を新しい1つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性を見つけ出す才能に依存する
新しい発想やデザインもすべては、今世の中に存在するものと存在するものの組み合わせで出来ている。
ということなんですね。なるほど。
また、つねに新しい組み合わせの可能性に夢中になっている人にアイデアはやってくる。とも言っています。
例えば、お財布ケータイなんかわかりやすいんじゃないでしょうか。
スマートフォンで支払いが出来ればもう財布を持ち歩く必要が無い。というように、「スマートフォンと財布を合体させればいいんだ!」という発想にいたったのは、今存在するものと存在するものの新しい組み合わせに、つねに夢中でいた結果出来たものではないでしょうか。
逆にアイデアが浮かばない人の特徴は、個々の事実がまるで関連性がないものと考えがちなようですよ。
アイデアを作り出す「5つの方法」
アイデアを作り出す方法は、5段階に分けられている。
1.資料を収集する
2.資料を咀嚼する
3.問題を全く放棄する
4.アイデアの到来を待つ
5.アイデアを具体化し、展開させる
1~5をひとつずつこなしていくのだが、ここで重要なのは、
「1段階が完了するまで、次の段階に進んではいけない」
とヤングは言っている。
1.資料を収集する
アイデアを作り出す工程で、まず最初に取り掛かることが資料を集めることです。
本を読んだり、ネットで調べたり、人に聞いたりいろんな方法があります。
当たり前じゃん!と思ったでしょうが、この雑仕事にどれだけ夢中に取り組めるかが特に大事になってきます。
集めるべき資料は
・特殊資料
・一般的資料
の2つです。
特殊資料とは?
特殊資料のことをヤングは、
製品とそれを売りたいと想定する人々についての資料
と言っている。
つまり製品自体の事と、その製品を必要としているターゲット層のことになります。
・この製品がどういうものか、何で出来ていて、どういうことに役立つのか。
・ターゲット層がどういうものに魅力を感じ、欲しいと思っているのか。
などを深く調べ上げることで、製品とターゲットとの関係にアイデアが生まれる。
これが特殊資料を集める意味になります。
特殊な資料集めにはカード索引法がおすすめ!
やり方は簡単で、
3インチ×5インチの罫線の入った白いカードを用意し、
集めてきた特殊な知識をこのカードに記入し、テーマ別に分類するだけ。
最終的にきちんと整理分類された、あらゆる項目を網羅した1つのファイルボックスになる。
一般的資料とは?
一般的資料についてヤングは、
人生とこの世の種々様々な出来事についての一般的知識
と言っている。
「この世にあることすべてがアイデアになるよ!」ってこと。
特殊資料と違い一般的資料は、生涯アイデア探しということになりますね。
またスペキュラトゥールのようなアイデアを作り出す人の共通点は決まって、
この世に興味を感じることのできないものなど1つも存在しない
あらゆる方面のどんな知識でもむさぼり食う
という特徴を持っています。好奇心旺盛ですね!
一般的資料集めにはスクラップブックがおすすめ!
①新聞、出版物、直接自分が体験した事柄などのスクラップを集める。
②集めた個々の資料を、様々な角度から何度も分類する。
これでアイデアがつまった1冊の本の出来上がりです。
雑誌のスクラップってよくやりましたね~。
私はデザイン制作の参考によくスノーボードの切り抜きやら集めたりしてます。
広告のアイデアは「製品と消費者に関する特殊知識」と、「人生とこの世の種々様々な出来事についての一般的知識」の新しい組み合わせを何度も試すことが大切になります。
2.資料を咀嚼する
資料集めの次にすることは「資料の咀嚼」だとヤングは言っています。
これは集めてきた個々の資料をそれぞれ手に取って、1つ1つの関係を探し求める(=咀嚼)ことを意味しています。
今まで集めてきた資料から、アイデアにつながる組み合わせをひたすら心の中で探していきます。
すると、この段階で部分的なアイデアのかけらのようなものが生まれてきます。
どんなとっぴなアイデアでもカードに書き留めておきましょう!
それらの部分的なアイデアを整理していくことが、これから生まれる本当のアイデアの重要な過程になっていきます。
また、この咀嚼の段階は、もう考えるの無理っ!って絶望状態になるまで粘ったほうが良いみたいです。
ここで粘ったことが、次以降の段階で役に立ちますから!
そしてそこまで粘ってもこの段階では、残念ながらアイデアのパズルが組み合わさることはないんです。
でも第2段階はここまででOKです!
3.問題を全く放棄する
第3段階では、今までの努力とはうってかわって考えることをやめます。
できるだけ完全にこの問題を心の外に放り出すこと。
そして自分の想像力や感情を刺激するものに心を移しましょう。
例えば、
音楽を聴いたり
映画を観たり
本を読んだり
自然に触れたり
買い物、ドライブ、スノーボード、フェス…etc.
この段階では好きなことをして、疲れた頭も心もリラックスさせる時間が大切なのでしょう。
アイデアが生まれるのを、無意識の心にまかせましょう!
4.アイデアの到来を待つ
アイデアはその到来を最も期待していない時にやってくる。
第4段階でヤングはこう言っています。
アイデアの訪れてくるき方はこんな風である。諸君がアイデアを探し求める心の緊張をといて、休息とくつろぎのひとときを過ごしてからのことなのである。
例えば、
ひげを剃っている時
風呂に入っている時
目が覚め切ってない朝方
真夜中…etc.
私は必ずと言っていいほど、布団に入ってウトウト夢の国に入っていく最中にアイデアが訪れます。
まじかっ!無理っ!寝るっ!と思いつつも速攻メモを取ります。
その瞬間メモしなかったらぜったい忘れます!そのアイデアは一生戻ってきません!
みなさん、眠くても必ずメモを取りましょう。
5.アイデアを具体化し、展開させる
ひらめいたアイデアは、記憶の中から消えてしまうのですぐに形にするのが良いです。
また期限や費用面など、現実的に実用化できるように手順を踏んでいく必要があります。
ここまでやって、はじめてアイデアは陽の目を見ることが出来るのです。
まとめ
自分の身の回りにあるものや手にしてきた知識、これから出会うこと。すべてがアイデアの原石なんだ!
この本を読んでからというもの、どんな出来事にも必ず好奇心のアンテナを張り巡らせるクセがつきました。そして、自分の考え方が非常に深くなったと感じるようになりました。
以前の私より、少しはスペキュラトゥールになっているのかな…と感じる今日この頃です。
ジェームス・W・ヤングの「アイデアのつくり方」は1時間もあれば読めてしまうほど短い本です。
しかしその中身はきっと、あなたを好奇心と探求心に満ちた豊かな人生にしてくれるでしょう。